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第五話

文化を卒業した僕は、就職はせず、アルバイトをしながら服作りを続けていた。

池袋の廃校になった小学校で、軍モノの服を解体してランジェリーとごちゃまぜにした服を発表したのもこの頃。
その発表を観に来てくださった装苑の関さんから電話があり、なんと僕の服を次号の誌面で取り上げて頂けることになったのだ。
発売日、開店と同時に本屋さんに行って、その装苑を10冊も購入してしまった。小さな記事だったけれど、僕にとってはとても大きくて価値があるものだった。
何かが始まる予感がした。

ほどなくして、その小さな記事を見つけてくれてたあるスタイリストから、電話がかかって来た。「一度服をみてみたい」とのこと。
初めて聞くその人の声はとても優しくかわいらしかった。 なんだか夢みたいな話だと思った。僕の部屋の壁に貼られた切り抜きのほとんどは、その人がスタイリングしたページだったからだ。

人と人とのつながり。つないでくれたのは、服。
2003年7月、梅雨明け間近、僕はあの人にみつけてもらえたんだ。

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